【動画】常念小屋と北東斜面滑降

常念小屋にて

田中 ゆうじんさんの投稿 2018年5月22日(火)

一昨日は、今シーズンラストであろうSKIMOをソロで。
狙うは、先週とおったときに軽くインスペした前常念よりすこし西にある、沢筋の北東斜面。うまく雪を拾えれば笠原沢の出合いまでいけるはず。

春うららかな陽気は申し分なし!
今回は、常念小屋のある乗越へとつながる一の沢源流部である本沢をスキーもしくはブーツアイゼンで登ることをきらい、トレイルシューズでロープをくぐりそのまま雪に埋もれているであろう夏道のトレースを試みた。
乗越(2,460m)から山頂までは夏道がでてるので、そのままトレイルシューズで登りたかったのと、またブーツ着脱の煩わしさも当然ある。
夏道ではご存じ、最終水場を越えるとザレ場をトラバースするのだが、そこに雪がついててステップも当然ないけど、通過する。
(注:初心者や自信ない方は絶対にやらないでください。滑落して大ケガ必至)

※写真は、夏道を挟んで本沢の北にある谷筋の雪渓

じつはこの日、ソロで似たようなペースの方と前後しつつ、情報交換してたので、敢えて夏道を選んで試してみたかったのもある。

雪融けの具合もみたいし、雪の夏道を試してみたっていいじゃない?
ダメならブーツアイゼンに変更して登れば良い。ただし、ピッケルは持参しなかったので、自己判断でこりゃダメだ、となれば下山すればよい。

ギャンブルといっしょで山も引き際や朝令暮改がむずかしい。無理をして一か八かに賭けるコトをすれば無謀といわれ、イケるかも、とすこしの無理をするコトも無謀といわれるかもしれない。ただし、この”少しの無理”から得るものはとても大きなものだと思うのだ。
幼い頃からケガしながらいろいろやってきたわけで、人間はその限界みたいなものをどんどん知るべきだとおもっている。それは別の次元でいまも変わらずだ。

標高2,300mくらいから夏道は消え、残雪をひたすらつめる。
ここで、トレイルシューズのキックが入ってなかったらブーツに履き替えたが、感触はあったので迷わずすすむ。
ただ、さすがにラストの落差30mくらいは森林限界とのボーダーで、フォールラインに木枝があることを意識してルートをとるが、滑落すれば大ケガの場面。
緊迫のクライムオンをした(サッサと)。

弛んだスティープ(急)な雪面を、ノーアイゼン&ピッケルで登ることはなんどもやってきたけど、
身体の重心のおきかた、手足の指の感触、落ちたときの対処のイメージ、恐怖感との闘い、そしてなんといっても手応えが、本当に大事である。
その瞬間、いつも思い出すことは幼い頃にコンクリートジャングルでのイケない遊びや、家の裏庭のプラタナスの木をよく登ったことを思い出す…。

ビショビショになった赤い軍手の指部分を抜き、おなじくビショビショのトレイルシューズで常念小屋にむかった。

オトモダチに逢うために!

シンガーソングライターでCDも制作してる、小屋番のミヤタキョウノスケさんとは、一度松本で飲んだ仲だ。
ゆうじんさんだから、ビールでしょ!? とオモテナシが本当に嬉しくてもったいなくて。甘えて炭酸飲料とゼリーはいただいたけど(笑)
あと、わたしに会うと、ご存じ動画撮影がはじまるので、60分じっくりお付き合いいただいた(笑)

この日のメーン動画は近く作ります☆

常念小屋は、カレーライス大盛り無料!そして、牛丼(漬物&味噌汁つき)1,000円でランチもOKです!ぜひキョウノスケさんを訪れてみて!!

ヒエ平-(2h30m)-常念小屋-(45m)-常念岳-(40m)-前常念手前‐(30m)-笠原沢‐(60m)‐ヒエ平。

おっと、この日三度お会いした登山者の方と話した際、本沢雪渓のノドの部分はすでに地面がみえていたとのこと。
ぼちぼち夏道開通にむけての作業もスタートだろうか。

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