フィリピンCEBU島、長女と二人旅 2/2

4泊5日のセブ島の旅も、食あたりやひったくりに遭うこともなく、無事に終了した(笑)

今回の旅の裏目的はズバリ、長女(17歳)にとって初海外ということで、普段ニッポンの生活ではとても経験できないような、”不便さ”あるいは”ショック”を感じてもらうこと。
もちろん、彼女たっての希望はシンプルに海外経験をしてみたいことだったが。

不便さとは、語学の壁、カルチャーショックのおもに二点である。

フィリピンは、発展途上にある暖かい国で、約40年まえから母国語(タガログ語)と英語が公用語としてつかわれている国。こんな多くの島々から成る一国ということで、おそらく多言語を効率よくまとめるための施策であったのだろうと思う。

日本やその他先進国のように、老齢化している状況ではなく、むしろ若いエネルギーが満ちあふれている印象だ。

ただ、国民性からか、国の生産力は上がっていっても、大多数の国民の生活は貧しいとのこと。きけば稼げる家族にぶら下がって生活をしている国民が多いとか。
個人的には、ここが寒かったらまたちがうんだろうなぁ~なんて思いながら、混沌とした街を眺めていた。

チャーターしたTAXIからみる、日本企業のそれはそれは広大なハードウェア工場周辺では、なんと朝の6時から二部制で出勤途中のワーカー達が道にあふれている光景に驚いたが(あと、帰宅ラッシュ時も)、もっと驚くのはやはり、街に散乱するゴミの量である。

食べてはポイ、が当たり前のようだ。
自宅からよく走る松本市内の奈良井川沿いにも、”程度のわるいのが”ゴミをクルマから投げ捨てたあとの散乱風景を目にするが、次元がちがうとはこのこと。

ゴミの海である。←←←すこし言い過ぎかも…

(※写真は、フィリピンNo.1ファストフードのJollibee(ジョリビー)。ハンバーガー&ポテト&ドリンク×2、チキン×6で、1,400円くらい。ビネガーソースとチキンの相性がGoodです!これに関しては、決して格安とは感じないけど、それでもリーズナブル。同国の大卒者が履歴書もって並ぶそう。いろいろ感じますね~)

また、宿泊ホテルと空港のあるマクタン島から、橋を渡ったセブ島では、コロンストリートという危険区域があった。ドラッグの巣窟となっていて、昼間でさえ地元民も寄りつかないような、危険極まりない場所が存在していると。

TAXIドライバーのリックさんに訊けば、ドゥテルテ大統領になってからは、ドラッグの摘発が劇的にすすみ、街はだいぶ安全になったそうだ。
ただし、すべてをなくす、すなわち一掃は敢えてしておらず、そんな一角がコロンだったりするのだろう。殺人事件なんか頻繁とのこと。
(※わたしは、「日本のメディアではあまり言われてないが、ドゥテルテ大統領素晴らしい」との意図を伝えた。なぜなら、自分がおもう悪しき大勢に迎合せず、ドラスティックに真っ当なことをやっていると映るから。で、ジャパニーズABEへは、その反対ということも伝えた笑)

しかしこの、一掃しないというあたり、普遍の術である。

物事は、急激に偏ったことをすると必ずガスが生じて爆発する。
そのガス抜きというわけである。
麻薬でビジネスをしたり、政治家との賄賂があったりして、国や産業の秩序というのはうまく回りだす側面が厳然としてあるからだ。まさに表裏一体。
(ゆえに、ドラッグの末端価格は高騰してるとも)

なので、日常でも正論ふりかざして相手を完膚なきまで叩きのめす、などということは皆さんやめよう。かならずガス抜きという、流路をつくること。
山の世界でもいるんだこういうのが。
ケンカ上手、これ肝なんで(笑)

とまれ、私も海外はまだ6か国しか経験がなく、しかも発展途上国は2か国目。
20年前に一人旅したときのタイはバンコクの、不衛生さと喧騒には当時かなりのカルチャーショックをうけたけど、いま現在のセブ島の街はその比ではなかった。
(ちなみに現在のタイはさらに発展し、当時とは街の清潔さもちがうとのこと)

なんというか、その国の生活レベルと文化的な成熟度のセットによるのだろうか、街に散乱するゴミの量はそれに同期していると感じた。
ようするに、きょうを生きることに精一杯、または明日のことなんて考えない、という状況は、清潔さや心の豊かさ、または、自然環境と都市部の調和がまだまだとれていないのだと実感する。
そして、山に登るというアクティビティは、私がみたセブ島からは、当然?まだまだという感じであった。
とはいえ、またべつの意味での生きるエナジーは感じるのだが!

さて娘だ。旅の2日目に2人で歩いて聖域(ホテル敷地内)を出て(笑)、2kmくらい離れたスーパーに買い物に出かけた。とにかく、もうその不衛生な街並みと貧しい生活を垣間みたことで、だいぶ気分が悪くなったらしい。

うふふ、成功である(笑)

ちなみに、私はジョグで三度近場を散策していくうちにトライシカル(バイクにサイドカーをつけた、簡易タクシーみたいなもの)に慣れてきて、適時利用した。あと、1週間もいれば、ジプニー(これも簡易TAXIの一種)ふくめ、相場でうまく利用できるだろう。
誰でもそうだけど、相場感ふくめ、生物の適応力みたいなもので、もっといえば適者生存。やればそこそこ出来ていくのである。

また、入国審査やTAXIでのフリートークはもちろん、スーパーでの買い物、ホテルでのキー受け渡し、洋服の会計、ケーキやトロピカルジュースのオーダーと支払い…、その都度頼ろうとしてくる娘を、折に触れて突き放す。

じぶんでやってみろ、と。

さらに、名物アクティビティのアイランドホッピング(舟で島々をおとずれつつ、ダイビングにシュノーケリングや釣りやBBQをする)では、ホテル横のいわゆる声掛け商売のオッチャン(と言っても、わたしと年もそう変わらなく驚いたが)の誘いに敢えてのってみて、舟のうえで一種の”ボラレル”経験もしてみた。これも以前経験してなきゃこう笑って書いてはいられないだろうか(笑)
それに、いつものコンビニや西友じゃ、とてもそんな経験できないでしょ?

と言いつつも、彼らは一生懸命に楽しませてくれようとしてくれていた。釣りをするときの餌を地道に探してくれたり、悪天になったのでプランの変更に頭悩ませたりと…。だいたい、目をみてれば解ってくるので。

TAXIで連れて行ってもらったヒルトップという山頂では、二人の若者の一人とわたしがずーっと喋っているものだから、娘ももう一人の若者と英語でコミュニケーションを迫られる。
否が応でも、言語のカベにぶち当たり、自分の不甲斐なさを感じるときである。

自分自身も、20歳のとき3カ月ほど単身渡米したり、アジア一人旅を1週間したり、また5年前にスイスのトレイルランニングイベントにメディアとして欧米人クルーといっしょに行動したりと、これでもわずかながら体当たりでやってきた経験がある。

当時20代のときの旅は、ぜったいにボラれねーぞ!とつねにケンカ腰で、ある種無謀だったなと。度胸と無謀はまたちがうんで。

誤解をおそれずにいうと、そんな、まずは自分だけが頼りな旅では、ツアー旅行や誰かに引率される苦労知らずの旅とくらべて、その後の人生に圧倒的な違いがでてくるってもの。
もちろん旅の目的にもよる。
そのうえで、万事スムーズにいく旅に良い旅なんてないと断言する。
(※ちなみに2013年の香港トレイルランレースの旅は、引率者がいたのでまったくエキサイティングじゃなかった。ただし、べつの意味で最高に面白かった)

こんな旅を、やれば自信になるし、人生経験としてその後のあらゆる場面で、小さな勇気&経験のフックが、随所に現れ、きっと逞しくなっているはずだとおもうから。
可愛い子には旅をさせよ、は、かくして事の本質に迫った言葉であるとおもう。

かならず人生の糧になるから、子供たちには、これからもどんどん旅したり、チャレンジをして、いい意味での苦労をしてもらいたい。

と言いつつも、わたしもまだまだ語学力もそうだし、人生経験が足りないなと実感した旅だったな~汗

とりとめもなく、読んでいただきありがとうございます。

でも、良い旅だった///

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